SSブログ

ニキリンコ 6 [ニキリンコさん知っていますか?]

ris10.jpg
スラップ訴訟生活崩壊廃業転居少し前。 徹夜明け?眠そう。
丁度図面をプリントアウトしてお客さんの所に置いて帰ってきた所だ。



「そう言えば先生に泣いて訴えたって言ってたね」
なに?そんな事言ってた?



忘れていた記憶を、妻に掘り起こされた。



私は1995年頃から非道くなって来た。約束した現場へ行けないのだ。



初めは様子を見ていた妻も、これはただ事では無いと動きだし、本を調べあちこち
相談したりしながら、遂にアスペルガー症候群を繋ぎ合わせた。



「ほら、ココ、ココ見て。そっくりでしょ?」
そんな事昔から分かってるよ。オレは自閉症の一種だって言ってただろ」



しかし、現実に証明したのは妻だった

今度はそれを裏付けられる医者探し



診断出来る医者が見つからない中、
「今度、新しく自閉症の子供を診断してくれる病院が出来るらしいよ。きっと頼めば診察してくれるよ。
行く?」



「・・・じゃあ予約してみれば」
ホントに行く?途中でキャンセル出来ないよ」
「行くよ。行くったら行くよ。しつこいな!



実は、大人を診察してはくれないのに、妻は無理に無理を言って、1年以上先
でそれも不確実な予約を取り付けてしまった。



1年以上待ち、先ず妻の予約日が来た。妻を車に乗せ一緒に病院へ。
その時待合室で見たのが、掲示板に何気なく貼ってあった「いとしご」




それまでは、適当に誤魔化して当日嫌になったらキャンセルすればいいと思っていた。
しかし、私は「いとしご」の一文にショックを受け、
絶対診察を受けようと思った。



翌週の私の初診の日、何故診察を受けるか理由を聞かれ、



「それは、ニキリンコをテレビで見たからです。コイツだけは許せない
こんなデタラメな自閉症はいない。あり得ない。こんな・・・こんな・・・・・・」


「分かりました。結構です。もうそれ以上言わなくて結構ですから」





「アンタは赤ん坊の時はちっとも泣かずケラケラ笑うだけで、毎日機嫌のイイ子だったのにネェ



しかし気付いたときは、姉弟喧嘩で毎日泣いていた



「あれっ?今日トール泣かなかったね珍しい事もあるね」「エヘヘヘ」という位毎日泣いてた



小学校に上がると、学校では泣かない様に緊張してた。でも卒業する迄に数回は泣いた



小学校5年のある日。
家の子供部屋で泣いているとき、自分の両肩が狭まり強張って、身体全体がガチガチに
固まっている事に気が付いた。


その時、持ち上がっていた両肩の力を抜き下げ、身体全体、特におなかの力をフッと抜く
胸も下がり気が抜けた様に泣きやめられた。    以来、泣かない


泣く前から身体の力を抜いて泣く事をコントロールする事が出来たんだね。私のTEECHだ。



その泣かなかった私があの「いとしご」の一文を読んで、
すぐ泣く、泣き虫だった昔の自分、泣き虫の子供に戻ってしまったのだろうか。



とにかく、そのニキリンコの存在の不条理、非論理的、矛盾、不整合、
その他諸々を正確に相手に伝える言葉が見つからず、その能力も持たず
その自分自身への不甲斐なさ、悔しさ、ニキリンコへの怒り
その他がない交ぜになって一気に涙が溢れ出て声が出せなくなった。





そうだ。私は確かに泣いた。あの子の話を読んであの子の無念さ同じ気持ちになって泣いた



忘れていたが泣いた。30年振りに人前で泣いてしまった





未だに「ニキリンコ」の真偽を見分けられない自閉症関係者のレベルの低さが許せなくて泣いた。



間違いはすぐ変更します。詳細はコメント欄にて詳しくお書き下さい。

nice!(0)  コメント(0)